1/1ページ目 高校1年生の某日、帰り道にて。 とある仲の良い顔見知りが、家に泊まりに来た。 「それにしても、どうしたんだ、いきなり泊まりたいだなんて」 「まあまあ…アキの生態を詳しく知ろうと思って…」 「お前、その言い方は変態みたいだぞ…。あ、事実か」 「……………」 皮肉ではない。真実を言って何が悪い。 「…あ、そうそう。明日発売のみらまじのルル(※)のフィギュア、予約した?」 (※・「みらまじ」とは、秋火、有紀の大好きなアニメ「みらくる♪まじかる」の事。 「ルル」とは、その「みらくる♪まじかる」に出てくるドジっ娘魔法少女の事である) 「…勿論、4つ予約したよ…ルルたんは小生の生き甲斐の中でアキの次だからね…」 「…4つ?」 「ああ…BLACKたんで予約する時、間違えて1つ多く頼んじゃったんだよ…かといって、キャンセルするのは常連として禁句だと思ってね…」 「……な、なあ有紀。1つ、多く頼んだって、結局邪魔になるだけじゃないか?」 それとなく聞いてみる。 「…つまり、ルルたんのフィギュアを自分のミスで予約を忘れていて、 丁度仲の良い顔見知りが1つ多く買っていたので、上手い事交渉して奪い取ってやろうと」 …ちっ…リアルカンが良いヤツはこれだから困るんだよ… おかげで手玉に取られそうじゃないか、この悪趣味め。 「奪い取ってやろうなんて思ってもいないがな」 「…ま…アキの頼みなら断れないけどね…。勿論、タダでとは言わないけどね」 「……あーあー分かりましたよ、何がしたいんだ」 「そうだねぇ……。…ふふ、小生が元々アキ… リュウミ先生のファンだったって言うこと、知っているでしょう?」 「まあ、知っているな」 「そこで1つ取引きだね。小生はアキにルルたんのフィギュアをあげる。そして」 「…そして」 「小生が、山陰リュウミ先生…つまり、アキのアシスタントになる」 「私…リュウミのか?」 「そうそう、リュウミ先生の。」 「…待て」 「ん?」 「考える」 さて…精神的に落ちついたら、考えよう。 ………………………。 まず、有紀が、山陰リュウミの、アシスタントを希望。 …アシスタント?なぜだ。もっと他に「秋葉原つれてけ」とか 「土曜日ぶっ通しでアニソン聞こうぜ」とか言うと思ったんだが… アシスタント…アシスタント…アシスタントぉ? 「お前、アシスタントなんて大仕事できんのか?」 「…勿論。…もっとも、リュウミ先生の仕事現場なんて見たこと無いから 分からないけどね…一度見たら分かるんだけどね…」 …ははーん、読めたぞ読めたぞ、こいつぁ「アシスタント」と言う名義で 私の家に住み込もうとしてるぞ。 こういう奴ほどちょっと頑張れば思考回路が分かる。 だがしかーし! 『あぁん?あんたを家に泊めるぅ?死んでもやだね! それならルルたんのフィギュアなんてどっかのオークションに落札するね!』 …なーんて言えるワケも無く… 「…仕方ないから、泊めてやるよ」 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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