2020年6月16日(火) 【雨よ、洗い流してくれ ～梅雨詩３～】 ※梅雨詩２の続きです。 –––––––––––––––––––––––––––––––––––– 学校からの帰り道。 雨。 傘をさしてあなたと歩く。 他愛のない話をしながら。 雨は好きじゃないけど、あなたと一緒なら雨も悪くないな。 そんなことを思いながら少しニヤける。 何笑ってんの？と楽しげなあなたに。 わたしは何でもないって答える。 だってあなたは知らないでしょうけど わたしはあなたのこと。 あ。 あなたが立ち止まる。何処かをじっと見つめてる。 どうしたの？ わたしはあなたの視線を辿る。 バス停、傘がいくつか並んでいる。 ・・・。 わたしはそっと傘を伏せ顔を隠した。 分かっていたこと。そう本当は気づいてた。 いいよね？ あなたがそれで幸せなら。 伏せてた傘を上げる。 立ち止まって見つめてるあなたにわたしは 背中を強く叩く。 いてぇなっ何すんだよ！ 怪訝そう。 良いから、行きなさい？ 好きなんでしょ？ 笑ってみせる。 げ、バレてたのか。 あなたは苦笑い。 私のことは気にしないで、頑張って。 ああ、悪い。またな。 そう言ってあなたはあの子のとこに掛けて行く。 ・・・。 あの子とあなた、楽しそうに話してる。 わたしは再び傘を伏せて踵を返す。 これでいい、これで。 バシャバシャ、ポツポツ。 歩く音、傘に当たる雨音が頭に木霊する。 わたしはあなたの笑顔が見たい。 たとえそれがわたしの隣でなくても。 だからこれでいい。 ねぇ、わたし、うまく笑えてたよね？ あなたにこの気持ちバレてないよね？ 好きだから。 大好きだから。 わたしは。 頬を伝う“これ”は雨だから。 決して涙じゃない。 わたしはあなたに幸せになってほしい。 本当なのに。 どうして？ どうして胸が苦しくて、熱くて。 どうして消えてくれないの・・・。 雨はやっぱり嫌い。 雨はわたしの気持ちを、洗い流してはくれない。 [▽追記] 6/1613:12 [ｺﾒﾝﾄする] [更新通知] ＜＜重要なお知らせ＞＞@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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