血が滲んで狂った様に硝子を壊した晴男は義父に押さえられた 「どうしたんだ、馬鹿な真似は止めなさい!」 ふつふつと沸き上がりずっと蓄積された感情は流れ出て抑えきれない 「晴男、自分を大切にして…、お願いよ…」 泣く母に問いかけた 「大切で尊敬していた人間に見切られた自分をどうしたら好きになれるんだ。」 この言葉に母親は察した様だった 義父に二人だけにして欲しいと頼んだ。 真っ直ぐな目で晴男を見つめ、傷ついた右手に触れ、小さく話し始めた 「私達はもっと話し合うべきだったね。お互いを腫れ物の様に思い怖くて距離を置いていた。…でもね、本当は傷つけても殴っても良かったの。今更わかるなんて…、家族なのに」 母の手は小刻みに震えていて きっと 泣くのを我慢している 「あの時父さんはね、貴方を助ける為に飛び出した瞬間後ろにいた通行人に、危ないと止められて助けてあげられなかったと酷く後悔して心が壊れてしまった。」 病院に一度も顔を見せなかった事 母親と離婚した経緯 その後新しい義父に土下座しに来ていた事 いつも家族を… 僕を想いながら暮らしている事を聞いた 右手は傷だらけなのに傷みを感じない 只ただ流れる涙が止まらない これ以上絶望するのが怖くて聞かなかった僕の弱さ …そうだ 僕は現実から逃げたのだ 父のせいにして未来を夢見る事を放棄した 自分がこれ以上真っ黒に染まらぬ様に [先頭ページを開く] [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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